欧州制覇の鍵は古代インドにあり?独代表がヨガ講師と再タッグ
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【6月9日 AFP】男らしさがものを言うサッカーの世界で、W杯王者のドイツは、今夏に行われる欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)のタイトル獲得を目指し、一風変わった人物と再タッグを組む。それはヨガのインストラクターだ。
そのインストラクター、独ミュンヘン(Munich)在住のパトリック・ブルーム(Patrick Broome)氏は、ミュージシャンのマドンナ(Madonna)やスティング(Sting)も顧客に抱える人物。ブルーム氏はAFPに対し、「私の知る限り、W杯ブラジル大会(2014 World Cup)の出場国で、ヨガ講師を雇っていたのはドイツだけのはずです」と話した。
ブルーム氏は、大きな国際大会に臨むドイツ代表を陰で支える裏方スタッフの一人だ。主な役割は、ヨガのエクササイズを通じて、スター選手たちを精神的にも肉体的にもリラックスさせることにある。
サッカー界では、40歳までプレーした元マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)の大選手ライアン・ギグス(Ryan Giggs)氏が、ヨガのおかげで現役が伸びたと話している。
そして今、ドイツ代表のトーマス・ミュラー(Thomas Mueller)やマッツ・フンメルス(Mats Hummels)ら名だたるスター選手の間では、「ハスのポーズ」や「戦士のポーズ」、「コブラのポーズ」といったヨガの姿勢がおなじみのものになっている。
自身もこの古代インドの鍛錬法のファンであるヨアヒム・レーブ(Joachim Loew)監督は、ヨガ導入の理由を「肉体的な状態をトップに持っていくだけでは足りない。頭の状態も整える必要があるんだ」と説明している。
ブルーム氏はここ10年間、W杯や欧州選手権でドイツ代表に力を貸してきた。そのレッスンには、「柔軟性と集中力、ピッチでのパフォーマンスを高める」効果があり、それがひいてはけがの予防にもつながるという。
ブルーム氏は今回、欧州選手権に向けたドイツ代表のスイス合宿で、毎日最大45分間のエクササイズを実施し、さらには6月10日から7月10日に行われる本大会にも帯同して、同じようなエクササイズを開催する予定だという。
選手はヨガ教室に参加を義務付けられているわけではないが、これまでのところ、まったく出てこようとしないのは代表メンバーの中でもわずか3人だという。
ヨガを実践し始めてから20年がたち、今では40代になるブルーム氏は、「高いレベルのプレーを続けるには、試合後にいいリカバリーをすることが欠かせません」と話している。