インドネシアの「ホビット」、通説よりも早い時期に絶滅か 研究
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【3月31日 AFP】インドネシアの洞窟に存在した形跡が残されている、「ホビット」との愛称をもつ小型のヒト属ホモ・フロレシエンシス(Homo floresiensis、フローレス原人)は、これまで考えられてきたよりもさらに以前に絶滅していたとする調査結果が30日、発表された。
遺跡発掘現場を数年にわたり綿密に調査してきた研究チームによると、フローレス原人がインドネシア・フロレス(Flores)島のリアンブア(Liang Bua)洞窟に暮らしていたのは、約19万年~5万年前だという。
ホモ・フロレシエンシスをめぐってはこれまで、比較的最近となる1万2000年前まで同洞窟で暮らしていたされていたことから、現生人類が約5万年前に東南アジアに到達した後も長期間生存し、われわれの祖先と隣り合って暮らしていた可能性もあるとみられていた。
今回、豪ウロンゴング大学などの国際研究チームが発掘現場の化石を含む地層の再調査を行い、一部で年代に誤りがあることを発見した。
だが、英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された研究チームの論文によると、「ホモ・フロレシエンシスが(5万年)前以後も生存し、フロレス島で現生人類と遭遇した可能性については、現在も不明」だという。
リアンブア洞窟のホモ・フロレシエンシスは、2003年に初めてその遺物が発見されて以来、現生人類の祖先なのか、それともまったく別の種なのかといった激しい科学的論争が巻き起こっている。
ホモ・フロレシエンシスの成人は、身長約1メートル、体重約25キロ。脳はチンパンジー程度の大きさで、体格のわりに比較的大きな足をしていたとされる。(c)AFP/Mariëtte Le Roux