【3月31日 AFP】29日にハイジャックされたエジプト航空(EgyptAir)機に乗り合わせた男性が、機内で犯人と並んで撮った写真がインターネット上に公開され、物議をかもしている。男性は、後に偽物と分かった「自爆ベルト」をもっと近くで見ようと思ったと説明している。

 写真を撮ったのは英国人のベン・イネス(Ben Innes)さん(26)。写真にはハイジャック犯のセイフ・アルディン・モハメド・ムスタファ(Seif al-Din Mohamed Mostafa)容疑者(58)と、その隣で笑みを浮かべるイネスさんが写っている。ハイジャックされた5時間の間に撮影し、友人らに送った。

 イネスさんは英大衆紙サン(Sun)に「なぜあんなことをしたのかは自分でもよくわからないんだ。逆境の中でも陽気であろうとして無謀なことをしてしまった」と説明。

「爆弾が本物ならどうなっても同じことだ。だったらもっと近寄って(自爆ベルトとされたものを)見てやろうと思った」と続け、「犯人の隣りに立ってカメラに向かって笑顔を作ったところを、客室乗務員に撮ってもらった。史上最高のセルフィー(自撮り写真)になったはずだ」と得意げに語っている。

 だがイネスさんの母親は後に英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)に対し「(写真は)セルフィーではない」「撮影したのがベンじゃないのは、はっきりわかるでしょう」と語っている。

 写真はソーシャルメディアを通じて拡散し、インターネット上ではイネスさんのユーモア精神をたたえる人たちと、笑い事ではないと批判する人たちの間で論議が巻き起こっている。(c)AFP