【3月31日 AFP】フランス当局は30日、国内で新たな攻撃を企てていたとして身柄を拘束したレダ・クリケット(Reda Kriket)容疑者(34)を、テロ組織に加わった容疑で訴追した。同容疑者は計画の中心人物とみられ、自宅から武器や爆発物が見つかっていた。

 仏国籍のクリケット容疑者は先週、パリ(Paris)近郊で拘束され、家宅捜索ではライフルやピストル、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が自家製爆弾用に好んで使う爆薬「TATP(過酸化アセトン)」が押収された。

 仏検察のフランソワ・モラン(Francois Molins)検事は同日の記者会見で、クリケット容疑者の攻撃計画で「特定の標的」は確認されなかったが、見つかった武器から判断すると、目前に迫っていた「極度の暴力」が阻止されたとみられると述べた。クリケット容疑者は昨夏、パリ北西のアルジャントゥイユ(Argenteuil)に偽名でアパートを借りていた。

 オランダのロッテルダム(Rotterdam)では27日、パリでの新たな攻撃計画と関連して仏国籍のアニス・バリ(Anis Bahri)容疑者(32)が身柄を拘束された。モラン検事によると、両容疑者はいずれも2014年後半と2015年初めにシリアに渡航していたとみられるという。

 クリケット容疑者は昨年11月のパリ同時テロの首謀者ともつながりがあり、イスラム過激派を勧誘するネットワークに関わったとして昨年7月、ベルギーのブリュッセル(Brussels)の裁判で被告不在のまま有罪となり、禁錮10年を言い渡されている。(c)AFP/Gina DOGGETT / Eric RANDOLPH