イースター蜂起100年で史上最大の追悼式典、アイルランド
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【3月28日 AFP】アイルランドの独立につながった1916年の「イースター蜂起(Easter Rising)」から100年を記念する式典が27日、首都ダブリン(Dublin)で行われ、英国の支配に立ち向かった人々の子孫や世界各地に散らばったアイルランド系の人々など大勢が沿道で盛大なパレードを見守った。
式典ではマイケル・ヒギンズ(Michael D. Higgins)大統領が、武装蜂起の指導者16人のうち14人が英国軍によって銃殺処刑されたキルメイナム刑務所(Kilmainham Gaol)と、蜂起軍の本部となったダブリンの中央郵便局(GPO)で花輪をささげて犠牲者を追悼。「ダニーボーイ(Danny Boy)」の歌詞で有名になったアイルランド民謡の旋律を軍楽隊が奏でる中、「アイルランドの所有権はアイルランド人民にある」とうたった蜂起の指導者らによるアイルランド共和国独立宣言を、軍将校が読み上げた。
アイルランド政府はイースター蜂起の「包括性」を重要視しており、史上最大となった今回の式典では蜂起軍の死者60人超と共に、犠牲となった市民250人、英国軍の死者130人も追悼された。
イースター蜂起は1916年4月24日、イースター(復活祭)明けの月曜日に英国支配からの独立を目指すアイルランド人1000人超が武装蜂起し、ダブリン中心部の建物を占拠したもの。英国は軍の増援を派遣してダブリン市内に砲撃を加え、激しい戦闘の末、29日に蜂起軍が投降し、蜂起は6日間で鎮圧された。多くの市民は当初、蜂起に批判的だったが、その後の取り締まりで数千人が逮捕されたことから英国に対する怒りが広がり、独立の機運が高まることとなった。(c)AFP/Declan Carty