ISから奪還したパルミラ、遺跡の状態はおおむね「良好」
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【3月28日 AFP】シリア政府軍がイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」からほぼ1年ぶりに奪還した中部パルミラ(Palmyra)にある古代都市遺跡や文化財は、懸念されていたよりもはるかに良好な状態であることが分かった。シリア文化財博物館総局のマムーン・アブドルカリム(Maamoun Abdelkarim)総局長が明らかにした。
アブドルカリム氏は27日、AFPの電話取材に答え、パルミラ遺跡の大半は無事だと説明。ISが破壊した文化財も修復していく方針だと語った。
超厳格な教義を奉じるイスラム教スンニ派(Sunni)過激派組織のISは2015年5月にパルミラを掌握。ベル神殿(Temple of Bel)やバール・シャミン神殿(Temple of Baal Shamin)、複数の塔墓などを神への冒涜(ぼうとく)とみなして次々と破壊した。
しかし、アブドルカリム氏によるとアゴラやローマ時代の円形劇場、市壁などの損傷はわずかで、昨年7月にISに破壊された有名なライオン像も修復できる見通しという。アラート(Al-Lat)神殿にある15トンのこの像は紀元前1世紀にさかのぼる。
とはいえ、市西部にある城砦は砲撃などを受けて激しく損壊している。ベル神殿とバール・シャミン神殿については国連(UN)と修復方法を協議する方針で、アブドルカリム氏自身も近く現地入りして被害状況を調べる意向だ。(c)AFP