【3月28日 AFP】パキスタン東部ラホール(Lahore)の公園で27日、自爆攻撃が起き、地元当局によると少なくとも65人が死亡、子ども50人以上を含む340人が負傷した。公園は当時、キリスト教の祭日「イースター(Easter、復活祭)」を祝う信者らで混み合っていた。

 事件が起きたのは市中心部近くにあるグルシャン・イ・イクバル(Gulshan-i-Iqbal)公園。当局によると、ブランコなどがある子どもの遊び場の近くで自爆犯が金属の球を詰めた爆発物を爆発させた。

 目撃者らによると、現場では子どもたちの叫び声が響き渡り、人々が負傷者を抱えて運び出したり、家族を必死で捜したりする悪夢のような光景が繰り広げられた。

 公園の向かいに住む男性は、爆発の衝撃で自宅の窓ガラスが吹き飛ばされたと語った。「10分後に外に出たら、家の壁には人の肉片がついていた。人々は泣き叫び、救急車のサイレンも聞こえた」。爆発前の公園はイースターを祝うキリスト教徒らでごった返しており、男性は自分の家族には公園に行かないよう伝えていたという。

 死者数は今年起きた攻撃の中で最多となっており、その数はさらに増える恐れがあると当局はみている。犯行の主体は不明。

 パキスタンでは2014年、北西部ペシャワル(Peshawar)の学校がイスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(TTP)」に襲撃され、生徒を主とする150人以上が死亡する事件が起きており、子どもを標的とした攻撃は特別な意味合いを持っている。

 TTPは警備などが手薄な「ソフトターゲット」に対する攻撃を続けており、今年1月にはペシャワル近郊のチャルサダ(Charsadda)で大学を襲撃し、21人を殺害した。この事件を受け、教師の銃所持を求める声や、子どもたちの身の安全を懸念する保護者らの懸念が高まっていた。(c)AFP/Khalid ALI