【3月27日 AFP】フランス・パリ(Paris)で25日、学生らによるデモに参加していた少年が警官から暴行を受けている動画が拡散し、非難が相次ぎ、一部の若者が警察署を襲撃するような暴力的な抗議行動をする騒ぎがあった。

 動画は、24日にパリで行われた労働法改正に反対する学生らのデモの最中、参加していた15歳の少年が2人の警官に体をつかまれ、1人から強く殴られる様子を捉えている。少年は数人の警官に囲まれて倒れているところを、警官の一人から立ち上がるよう大声で指示され、その後殴られている。

 少年は地元メディアに対し、「卵を投げるなどの抗議行動をしていたら、1人の警官に襲われて倒れた。その警官から『立て、立て』と言われ、それから殴られた。目まいがしていた」と語った。

 ベルナール・カズヌーブ(Bernard Cazeneuve)内相とパリ警視庁のミシェル・カド(Michel Cadot)総監は、動画について「ショッキング」だとコメントした。

 動画の内容に対し、一部の若者はパリ市内の2か所の警察署に投石したり、催涙ガスを噴射したりして怒りをあらわにした。AFPの記者によると、うち1か所では窓の強化ガラスを若者らが木材でたたき壊そうとしたり、「警官に死を」と落書きしたりした若者もいた。

 労働法改正に対する学生の抗議デモは24日にフランス全土で行われ、パリ市内では車への放火や、デモ隊と機動隊との衝突があった。機動隊は催涙ガスを噴射し、30人以上を逮捕。警察側も2人が負傷した。(c)AFP/Andrea Graells Tempel and Guillaume Bonnet