【3月27日 AFP】チリ保健省は26日、同国本土で初めて性交渉によるジカウイルス感染者が発生したと発表した。胎児の先天異常との関連が疑われるジカウイルスは蚊が媒介して感染することが多いが、チリ本土にはこの種の蚊は生息していないとされている。

 保健省によると性交渉によりジカウイルスに感染したのは46歳の女性。感染源の男性はハイチでジカウイルスに感染していたという。同省は声明で「これは、ジカウイルスを媒介するネッタイシマカの存在が認められていないチリ本土で初めて発生した性交渉による感染例だ」と述べ、「チリではこれまでに外国で感染したジカ熱患者を10人確認しており、うち8人は2016年に確認したもの」と付け加えた。

 同国では今月初旬、外国でジカウイルスに感染した妊婦の例が報告されたが、この妊婦は健康な男児を出産した。

 ネッタイシマカはチリ本土には生息していないが、同国領土である太平洋沖のイースター島(Easter Island)で生息が確認されている。中南米で感染が拡大しているジカウイルスに妊婦が感染すると、脳が発達せず頭部が異常に小さい状態で新生児が生まれる小頭症という深刻な先天異常を引き起こす恐れがあるとみられている。

 世界保健機関(WHO)はジカウイルスと小頭症発生の関連について緊急事態を宣言している。(c)AFP