■原子力空母の寄港も手配

 事件の中心人物で、シンガポールに本社がある港湾業務受託会社グレン・ディフェンス・マリン・アジア(GDMA)の社長、レオナルド・フランシス(Leonard Francis)被告も昨年、罪を認めた。

 フランシス被告は、GDMAが業務を請け負っている港に米海軍艦艇が寄港するよう便宜を図ってもらう見返りにドゥセク被告らに対して飲食や高級ホテルでの宿泊などを提供していた。

 2010年に米海軍の原子力空母エーブラハム・リンカーン(USS Abraham Lincoln)が 、フランシス被告が港湾ターミナルを所有するマレーシアのポートクラン(Port Klang)に寄港したのもドゥセク被告の手配によるものだった。この時の寄港では約160万ドル(現在のレートで約1億8000万円)の費用がかかった。

 フランシス被告は有罪を認めた際、米海軍に請求する燃料やタグボート代、下水処理などの金額を繰り返し水増ししていたことを認め、不当利益3500万ドル(約40億円)の没収に応じた上、裁判所が決める金額を米海軍に返納することに同意していた。(c)AFP