中国のドーピング違反もみ消しをWADAが調査、英紙
このニュースをシェア
【3月25日 AFP】(更新)英紙タイムズ(The Times)は24日、中国の水泳選手5人のドーピング違反がもみ消された疑いがあるとして、世界反ドーピング機関(WADA)が調査に踏み切ったと報じた。
WADAは前日、同じくタイムズ紙の報道を受け、ロシア水泳界の「組織的」ドーピング疑惑について調べることを発表していた。
同紙は、中国水泳チームの関係者からの告発により、来月行われる五輪の選考会に影響をきたさないよう、5人のドーピング違反がもみ消されたことが分かったと報じた。ドーピング違反のうち2件は昨年10月に、残りの3件は年末年始に発覚したとしている。
告発者は、中国当局に監視されていてWADAにコンタクトできないため、この情報を渡すようタイムズ紙に依頼したという。
中国国内では、過去にドーピング違反に関与したとして永久追放となっているはずのコーチが、天津(Tianjin)で指導を続けていることが問題になっていた。
WADAの広報担当を務めるベン・ニコルズ(Ben Nichols)氏は、ツイッター(Twitter)を通じて声明を発表し、「極めて深刻な疑惑で、細部にわたる調査を必要とする」とコメント。また、タイムズ紙からの情報を精査し、適切な対応を取るつもりだとしている。
中国水泳チームが練習の拠点としているオーストラリアでも、ドーピング管理体制の甘さを指摘する声があがっており、五輪金メダリストのグラント・ハケット(Grant Hackett、オーストラリア)は、中国人選手が検体を提出するのは18か月に1度で、それすらも豪水泳連盟(Swimming Australia)が要求しなければ、行われないだろうと指摘している。(c)AFP