旧ユーゴ戦犯法廷、カラジッチ被告に禁錮40年 大量虐殺で有罪
このニュースをシェア
【3月25日 AFP】ボスニア・ヘルツェゴビナ内戦(1992~95年)中、第2次世界大戦(World War II)以来欧州で最悪の残虐行為に及んだとされる当時のセルビア人勢力指導者、ラドバン・カラジッチ(Radovan Karadzic)被告(70)に対し、オランダ・ハーグ(Hague)にある国連(UN)の旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(ICTY)は24日、ジェノサイド(大量虐殺)などの罪で禁錮40年の有罪判決を言い渡した。
クォン・オゴン(O-Gon Kwon)裁判官は、1995年にスレブレニツァ(Srebrenica)でイスラム教徒の成人男性や少年約8000人が殺害されたジェノサイドのほか、殺人や迫害、誘拐など9つの罪でカラジッチ被告を有罪とした。被告が最初に起訴されてから20年以上たって、ようやく判決が下された。
国連の潘基文(バン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は、正義が実現された「歴史的な日」と歓迎したが、犠牲者の遺族らは判決内容に対する失望を表明した。
ICTYは20年以上前のボスニア7町村でのジェノサイドについて、それが行われたという「合理的な疑い以上」のことを証明するのに十分な証拠がないとの判断も示し、多くの犠牲者らにとってはこの点でも遺恨を残した。
カラジッチ被告の弁護団によると被告は控訴する方針で、裁判は今後さらに何年も続くとみられる。(c)AFP/Jan Hennop and Jo Biddle