【3月24日 AFP】米大統領選の共和党候補指名争いで首位を走るドナルド・トランプ(Donald Trump)氏と、2位で追うテッド・クルーズ(Ted Cruz)上院議員の間で過熱する舌戦は、互いの夫人をめぐってソーシャルメディア上でやり合うまでに発展した。

 発端となったのは、22日のアリゾナ(Arizona)州とユタ(Utah)州での予備選・党員集会を前に、反トランプ氏を掲げる政治資金団体(スーパーPAC)「Make America Awesome(メイク・アメリカ・オーサム)」が展開した選挙広告だ。

 交流サイトのフェイスブック(Facebook)に投稿された問題の広告は、トランプ氏の妻、メラニア(Melania Trump)夫人(45)がトランプ氏の自家用ジェット機内で、ブリーフケースに腕輪でつながれ、裸で横たわる写真を使用。「こちらがメラニア・トランプ、米国の次期ファーストレディーです」「もしくは、今度の火曜日にテッド・クルーズを支持するという選択もあります」との文章が添えられていた。

 メラニア夫人はスロベニア系米国人のジュエリーデザイナーで、元モデル。広告に使われた写真は、夫人がトランプ氏と結婚する前の2000年に米男性誌「GQ」に掲載されたものだ。

 激怒したトランプ氏は22日夜、「うそつきテッド・クルーズは、GQに載ったメラニアの写真を自分の宣伝に使った。気をつけろよ、うそつきテッド。さもなきゃ、あんたの奥さんの秘密をばらしてやる」と、700万人がフォローするツイッター(Twitter)の自分のアカウントに投稿した。

 妻ハイディ(Heidi Cruz)さん(43)をネタに脅迫されたクルーズ氏も、ただちに反撃。「あの写真はわれわれが出したものじゃない」「ドナルド、ハイディを攻撃するなら、お前はこちらが思っていたより臆病だということだ。卑怯者め」とツイッターでやりかえした。

 ハイディさんは米投資銀行大手ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)の投資マネジャーで、夫の選挙戦のため休職中。ウィスコンシン(Wisconsin)州で取材に応じ「心配していない」「皆さんご存じだろうが、ドナルド・トランプの発言の大半には根拠がない」と一蹴した。(c)AFP