【3月24日 AFP】ベルギー検察は23日、前日に首都ブリュッセル(Brussels)で起きた連続テロ事件で自爆した兄弟のうちの1人が、追い詰められて絶望的になった心境を吐露する「遺書」をパソコン内に書き残していたと発表した。

 同国検察当局の発表によると、ブラヒム・バクラウィ(Ibrahim El Bakraoui)容疑者と弟のハリド・バクラウイ(Khalid El Bakraoui)容疑者はそれぞれブリュッセル国際空港(Brussels Airport)のチェックインカウンター付近と地下鉄のマルビーク(Maalbeek)駅で自爆した。当局の最新の発表では、これまでに確認された死者数は31人、負傷者は270人とされている。

 記者会見したフレデリク・ファン・リーウ(Frederic van Leeuw)検察官によると、ブラヒム容疑者はパソコンに残した文書に、「焦っている」「どうしたらいいのか分からない(…)あちこちで追われている(…)もう安全じゃない」「彼と一緒に、刑務所に入れられるのはごめんだ」などと綴っていた。

「彼」とは昨年11月のパリ(Paris)同時テロ事件の実行犯として先週、ベルギーで身柄を拘束されたサラ・アブデスラム(Salah Abdeslam)容疑者を指しているとみられる。

 文書が保存されていたパソコンは、連続テロとの関連で警察が22日夜に家宅捜索したアパートがあるスカールベーク(Schaarbeek)地区の道端のごみ箱に捨てられていた。アパートからは、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の旗と爆弾、および爆弾製造用の材料が見つかっている。(c)AFP