【3月22日 AFP】(更新)女子テニスは「男子の人気に便乗している」という問題発言で、各方面から批判を浴びていたBNPパリバ・オープン(BNP Paribas Open)の大会ディレクター、レイモンド・ムーア (Raymond Moore)氏が21日、辞任した。

 オーナーのラリー・エリソン(Larry Ellison)氏は、大会の公式ウェブサイトに声明を掲載し、「レイは、最高経営責任者(CEO)と大会ディレクターの職を辞する決断をしたと、私に伝えてきました」と述べている。

 元テニス選手で69歳のムーア氏は、20日朝に行われた記者会見で、「もし私が女子選手だったら、毎晩ひざまずいて神に感謝するだろう。テニス界をけん引する、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)やラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が生まれてきたことをね」と発言し、現女王セレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)らの批判を浴びていた。

 往年の名選手マルチナ・ナブラチロワ(Martina Navratilova)氏は、英国放送協会(BBC)に対して、ムーア氏がディレクター職にとどまるなら、女子テニス界は、BNPパリバ・オープンをボイコットすることも辞さないとコメントしていた。

「女子テニス選手に関する、ムーア氏の偏見に満ちた時代遅れの発言には、本当に失望しました。私たちは男子選手の助けを借りずに、自分たちの力でここまでたどり着いたのです。これから先もそうであるはず」

「もしムーア氏が大会ディレクター職にとどまるなら、女子がインディアンウェルズ(Indian Wells)大会に出場する姿は、想像できなくなるでしょう」

 女子テニス協会(WTA)のスティーブ・サイモン(Steve Simon)CEOも、ムーア氏の発言を受けて「極めて遺憾であり、憂慮すべきこと」と述べ、同協会が自分たちの力で立ち上がったことを強調していた。(c)AFP