【3月22日 AFP】BNPパリバ・オープン(BNP Paribas Open 2016)の男子シングルスで、歴代最多となる5度目の優勝を飾ったテニス界の王者ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は、自分のプレーが最高潮に達したとき、「ゾーンに入る」感覚を味わっているという。

 ジョコビッチは、一昨年の7月から世界1位を堅守しており、その驚異的な成功の極意は、プライベートでは徹底してルーティン通りに過ごすこと、そしてコートでは、優れた直観をはたらかせることにあると考えている。また、相手の行動に対する反応と記憶を意識的かつ無意識的に行い、それを十分に活用することを「パターン認識」と呼んでいる。

「無意識と意識は直結している。両方を理解し、把握することができれば、その瞬間に入り込むことができるんだ。ほとんどのプロスポーツ選手は、それをゾーンに入る瞬間と考えているはず」と説明するジョコビッチは、20日のBNPパリバ・オープン決勝で、ミロス・ラオニッチ(Milos Raonic、カナダ)相手に6-2、6-0の完勝を収めている。

「意識できるのは、実際に自分で操作が可能な物質的、そして肉体的な部分だ。ビデオ研究、データ、数字、そして経験があれば精神的に準備ができる」

「意識できないのは、自分自身に関係することや、どれくらい動いて、試合や対戦相手に集中するかということだ」

 先月、現役選手では3人目となるキャリア通算700勝を達成したジョコビッチは、マイケル・ジョーダン(Michael Jordan)氏をはじめ、タイガー・ウッズ(Tiger Woods)、レブロン・ジェームズ(LeBron James)、トム・ブレイディ(Tom Brady)ら米国が輩出したトップアスリートと同じように、スポーツの歴史を築いている。