【3月22日 AFP】フランス警察は、昨年発生したパリ(Paris)同時テロで使用された爆発物から、新たに身元が判明した容疑者のDNAを検出した。仏捜査当局筋が21日、明らかにした。一方でベルギー検察当局は、事件の「パズルを解くには程遠い」段階にあると認めている。

 ベルギー・フランス両国の検察当局は、パリ同時テロの実行犯10人のうち唯一の生存者とされるサラ・アブデスラム(Salah Abdeslam)容疑者が4か月間の逃亡生活を経て18日にベルギーの首都ブリュッセル(Brussels)で逮捕されたことを受けて、同市で今後の捜査について協議した。

 ベルギーの捜査当局は、共犯者の一人の身元がナジム・ラーシュラウイ(Najim Laachraoui)容疑者(24)と新たに判明したと発表。同容疑者は、以前はスフィアーヌ・カヤル(Soufiane Kayal)という偽名で知られていた。

 ラーシュラウイ容疑者は昨年9月この偽名を使い、アブデスラム容疑者と共にハンガリーを訪れていた。またラーシュラウイ容疑者には、2013年2月にシリアへの渡航歴もあったとみられている。

 フランス側の捜査関係筋の話では、同容疑者のDNAが、パリ同時テロで使用された爆発物から検出されたという。同容疑者は、パリ同時テロの容疑者で依然行方が分かっていない2容疑者のうちの一人。残る一人は、アブデスラム容疑者と10代の頃からの友人だったモハメド・アブリニ(Mohamed Abrini)容疑者だ。

 ベルギーのフレデリク・ファン・リーウ(Frederic Van Leeuw)検察官はフランスのフランソワ・モラン(Francois Molins)検察官と開いた共同記者会見で、事件を解明するための「パズルのかなりのピースを入手し、ここ数日間にそれらをどこへ置けばよいかは分かった」と語ったが、「とはいえ…われわれはまだパズルを解くに至るにはまだ程遠い」と認めた。(c)AFP/Jan HENNOP