【3月21日 AFP】香港の人気カンフー映画「イップ・マン(葉問、Ip Man)」シリーズの配給会社が、シリーズ最新作『Ip Man 3(イップ・マン3)』の中国での興行収入を大幅に偽っていたとして、中国当局から業務停止処分を受けた。

「イップ・マン」シリーズは、ブルース・リー(Bruce Lee)の師匠として知られる中国武術の達人、イップ・マン(葉問)の人生を描いたドニー・イェン(Donnie Yen)主演の人気香港映画。最新作の『イップ・マン3』ではボクシング元ヘビー級世界王者のマイク・タイソン(Mike Tyson)が出演し話題となっていた。

 中国の映画業界統計によれば、中国本土における『イップ・マン3』の公開から4日間の興行収入は5億元(約86億円)以上とされているが、この数字は『スター・ウォーズ/フォースの覚醒(Star Wars: The Force Awakens)』の同日間興行収入を上回る。

 しかし規制当局の機関紙によると、『イップ・マン3』の配給会社は5600万元(約9億6000万円)分のチケットを自社購入していたうえ、映画館での上映回数を実際よりも7600回以上多く上映されたと偽り、3200万元(約5億5000万円)分を水増しして報告していたという。

 これを受けて同国の規制当局である国家新聞出版広播電影電視総局(SAPPRFT)は、『イップ・マン3』の配給会社に対し1か月の業務停止を命じ「全ての違法行為の是正」を求めたと、18日に報じられた。

 中国では映画の配給会社や劇場が映画が大ヒットしたとの話題作りや新作映画に観客を誘導したいとの狙いから、しばしば興行収入の大幅な水増し発表が行われ、こうした活動に奨励金が支払われる場合もあるとされる。(c)AFP