【3月20日 AFP】米大統領選の共和党候補指名争いで首位を走る不動産王ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の反対派数百人が19日、ニューヨーク(New York)市内で抗議デモを行った。また、同氏の選挙集会が開かれた南西部アリゾナ(Arizona)州では、反対派が幹線道路を封鎖し、集会では暴行騒ぎもあった。警察や複数の目撃者によると、トランプ氏の選挙戦の勢いを止めようとするこの日の抗議運動では数人の逮捕者が出た。

 米NBCテレビのウェブサイトに掲載された動画には、アリゾナ州トゥーソン(Tucson)での選挙集会で、トランプ氏の顔と「Bad for America(米国にとってよくない)」と書かれたプラカードを掲げた男性が、集会の出席者から殴る蹴るの暴行を受け、警備員に付き添われて会場から出ていく様子が捉えられている。加害者は手錠をかけられて連行され、傷害罪で訴追されたという。

 トゥーソンでの集会に先立ち、反対派はアリゾナ州フェニックス(Phoenix)郊外で主要幹線道路を封鎖し、トランプ氏の支持者らが集会に出席するのを阻止しようと試みた。トランプ氏は22日に行われる共和党のアリゾナ州予備選を前に同州入りしていた。

 一方、ニューヨークのマンハッタン(Manhattan)では、セントラルパーク(Central Park)を見下ろすトランプ氏の高級不動産物件に近い「コロンバスサークル(Columbus Circle)」に反対派が集まり、「ドナルド・トランプは去れ、人種差別主義者で性差別主義者、反同性愛者」とシュプレヒコールを上げた。現場に大勢の警官が配置される中、参加者らは「トランプを追放しろ」「トランプの周囲に壁を築け」などと書かれたプラカードを掲げた。また「ドナルド・トランプ1人と難民2万5000人の交換を」と書かれたプラカードも見られた。こうした運動の中、5番街(Fifth Avenue)では一時、小競り合いがあり、1人が逮捕されたものの、警察が直ちに事態を収拾した。(c)AFP/Brigitte DUSSEAU