【3月20日 AFP】オランダの会社が同国南部の北ブラバント(North Brabant)州でレジャー客向けに公開した脱出アドベンチャーのアトラクションに、ドイツ生まれのユダヤ人少女、アンネ・フランク(Anne Frank)がナチス・ドイツ(Nazis)から逃れるためにアムステルダム(Amsterdam)市内で家族と住んでいた隠れ家に似せた部屋があるとして物議を醸している。

「エスケープ・バンカー(隠れ家から脱出せよ)」と銘打たれた同アトラクションの参加者は、捕らわれの身となったレジスタンスの戦闘員という設定で、隠れ家からの脱出方法を見つけ出すよう指示される。

 アンネ・フランク財団(Anne Frank Foundation)は19日、同アトラクションは「ホロコースト(Holocaust、ユダヤ人大量虐殺)で生き残った人々への思いやりが感じられない」とし、「ナチスから身を隠していたことがわくわくする娯楽であるかのようなイメージ」をつくり出していると非難。さらに、「隠れていた人々がもっと利口ならナチスに捕まらなかったはず」という誤った印象を与えると批判している。

 AFPは「エスケープ・バンカー」にコメントを求めたが返答はなかった。オランダメディアによれば、アトラクションの主催者、タイス・フェルベルネ(Thijs Verberne)氏は「誰かの気持ちを傷つけるつもりはなかった」として、アトラクションの文章表現を一部変更すると述べたという。(c)AFP