【3月20日 AFP】世界保健機関(WHO)は18日、西アフリカの島国カボベルデ国内で初めて小頭症の症例が確認されたことを受け、同国におけるジカ熱の発生状況を監視するため、疫学者や母子保健衛生専門家、コミュニケーション要員などを含む専門チームを派遣したと発表した。

 WHOは声明で「WHOアフリカ地域事務局(AFRO)と、セネガルの首都ダカール(Dakar)の感染症研究所、パスツール研究所(Institut Pasteur)から、カボベルデに合同専門家チームを派遣する」と述べた。

 カボベルデ政府は15日、新生児が頭部と脳が異常に小さい先天異常を持って生まれる小頭症が国内で初めて確認されたと発表した。小頭症は妊婦のジカウイルス感染と関連付けられており、現在研究が進められている。

 WHOの報告によると、カボベルデでは3月第1週だけで33件のジカウイルス感染の疑い例が報告されており、昨年10月21日以降では約7500人の感染が確認されている。

 大人がジカウイルスに感染した場合、微熱や頭痛、関節痛など、症状は通常軽いものが多い。しかしジカウイルスは、小頭症やまれな神経疾患であるギラン・バレー症候群を引き起こす可能性が指摘されており、ウイルスの爆発的拡大に警鐘が鳴らされている。

 WHOは声明で「この小頭症例がカボベルデでのジカウイルス感染の急激な発生に関連したものかどうか調査を進めている」と述べた。

 ジカウイルスのワクチンは現在のところ存在しない。南米ブラジルでは最多となる150万人のジカウイルス感染が確認され、妊娠中に感染した女性から生まれた745人の新生児に小頭症発症が確認されている。(c)AFP