シャラポワが使用したメルドニウム、開発者は「安全」と主張
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【3月19日 AFP】女子テニスのマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)が使用した「メルドニウム(Meldonium)」のラトビア人開発者が18日、同薬物は安全であると語った。
ラトビアの研究所でメルドニウムを開発したイバルス・カルビンシュ(Ivars Kalvins)氏(68)はAFPに対し、ミルドロネート(Mildronate)の名でも知られる同薬品は「心血管系の薬では世界で最も安全である」と語った。
旧ソ連時代の1970年代からラトビアで製造されているメルドニウムは、虚血(局所の貧血)の治療に使用される。血流を増加させることは、持久力の向上や運動後の回復を早める可能性がある。
カルビンシュ氏は、「ミルドロネートが、禁止薬物を決定する三つの必須条件に合致しているという証拠はない。パフォーマンスを押し上げたり、強めたりすることを立証した者はいない。唯一の証拠は事例だけだ」と語った。
「促進剤だといいたいのであれば決定的な証拠があるべきだが、そういったものは存在しない」
カルビンシュ氏はまた、メルドニウムの禁止は今年のリオデジャネイロ五輪に関連しているのではないかと考えている。
「五輪が開催されることが(禁止の)主な理由だ。何人かの競技者が大会から排除されることになるだろう」
ロシア人選手の五輪参加を阻止するため、禁止薬物として指定されたと考えているかとの問いにカルビンシュ氏は「そう思う」と応じた。
カルビンシュ氏によると、中国でもメルドニウムは製造されているという。
「中国軍の病院での臨床試験に関する出版物の文献に書いてある。中国陸軍が使用していると」
シャラポワは、今年の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2016)のドーピング検査でメルドニウムの陽性反応が出たため、キャリアが終わる可能性もある4年間の出場停止処分に直面している。
シャラポワは、運動能力向上のためではなく健康上の理由でメルドニウムを摂取し、禁止薬物に指定されていたことを知らなかったと釈明した。
欧州の西側では販売されていないメルドニウムだが、シャラポワが使用を公表して以来、ロシアでの同薬品の売り上げは倍増している。(c)AFP