【3月17日 AFP】米道路交通安全局(NHTSA)は17日、今後7年以内に自動緊急ブレーキ(AEB)を新車の標準装備とすることを目指す、自動車メーカーとの自主協定を発表した。

 NHTSAによると、米自動車市場の99%以上を占める自動車メーカー20社との協定により、安全技術であるAEBが2022年末までに、乗用車とライトトラックに標準装備される機能となる見通しだという。より大型のトラックについては、2025年末までに標準装備となる予定。

 AEBシステムは、運転者に代わってブレーキを作動させることで、衝突を回避したり、衝突による影響を軽減したりする助けになる。レーダー、カメラ、レーザーなどの感知装置が、運転者に衝突が迫っていることを警告し、運転者が衝突を回避するために十分な行動を適切なタイミングで取れない場合には、自動ブレーキが作動する。

 自主協定に合意した自動車メーカーは、アウディ(Audi)、BMW、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)米国部門、フォード・モーター(Ford Motor)、ゼネラル・モーターズ(GM)、ホンダ(Honda Motor)、現代(ヒュンダイ)自動車(Hyundai Motor)、ジャガー・ランドローバー(Jaguar Land Rover)、起亜自動車(Kia Motors)、マセラティ(Maserati)、マツダ(Mazda)、メルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)、三菱自動車(Mitsubishi Motors)、日産自動車(Nissan Motor)、ポルシェ(Porsche)、スバル(Subaru)、テスラモーターズ(Tesla Motors)、トヨタ自動車(Toyota Motor)、フォルクスワーゲン(VW)、スウェーデン・ボルボ・カーズ(Volvo Cars)米国部門の計20社。

 NHTSAのマーク・ローズカインド(Mark Rosekind)局長は、今回の協定が自発的な性質のものであることに対する批判に対し、AEBを新車に標準装備させるのが通常の法整備プロセスより3年早くなるとして理解を求めた。

 米道路安全保険協会(IIHS)によると、AEBの標準装備が3年早まることで、約2万8000回の衝突事故と1万2000人の負傷者の発生を回避できるという。

「これほどの規模の協定は前例のないもので、より多くの米国人により早く、より高い安全性をもたらすに違いない」とローズカインド局長は述べた。

 複数の消費者保護団体は1月、AEBの標準装備を、企業間の協定ではなく強制基準とするよう求める連名の嘆願書をNHTSAに提出していた。(c)AFP