【3月17日 AFP】世界で最も素晴らしいコレクションの一つとされる、古代ローマ時代の彫像や彫刻が、近く初公開される運びとなった。過去数十年にわたり隠されていたコレクションをめぐっては、著名な考古学者がかつて、こっそり見るために清掃作業員に扮（ふん）したほどだとされる。

　このコレクションを所有するのは、伊ローマ（Rome）最古の名門貴族の一つであるトルロニア（Torlonia）家。今週、同家とイタリア文化省が合意したことにより、極めて貴重なコレクションの一般公開が決まった。対象となるのは、620作品中の60～90作品で、ローマで2017年後半に公開される予定だという。

　トルロニア家は18世紀に銀行業で財を成し、骨董品や古美術品の重要なコレクターとなった。

　ローマ中心部のトラステベレ（Trastevere）にある同家邸宅が90戸の集合住宅になって以降、コレクションの大半は数十年の間、建物地下で保存されていた。

　地下に眠っているコレクションに関しては、著名な考古学者ラヌッチョ・ビアンキ・バンディネッリ (Ranuccio Bianchi Bandinelli)氏 が、邸宅に忍び込みこっそり見るためにごみ収集業者に扮したとの逸話もある。

　イタリア政府は大理石の作品群を国有化するよう繰り返し求めてきたが、これまでは失敗に終わっている。(c)AFP