シリア人男性、トルコ空港に1年足止め 映画のような状況に懸念
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【3月17日 AFP】トルコの最大都市イスタンブール(Istanbul)のアタチュルク国際空港(Ataturk International Airport)で、内戦下の母国から国外に逃れたシリア人の男性が1年以上にわたって足止めされ、トム・ハンクス(Tom Hanks)さん主演の映画『ターミナル(The Terminal)』のような状況に置かれている。
空港に足止めされているのは20代と伝えられるファディ・マンスール(Fadi Mansour)さん。
ハンクスさん演じる主人公が、到着した空港から出ることができなくなりそこで生活していくことになる映画『ターミナル』のような状況について、国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は、マンスールさんは「事実上、恣意(しい)的な拘束下」にあると述べ、トルコ政府に対して「一時的な保護」の資格者として入国を認めるよう求めている。
同人権団体によると、マンスールさんは2012年にシリアを離れレバノンに向かった。その後トルコに到着しそこからさらにマレーシアに渡航しようとしたが入国を拒否され、昨年3月15日にイスタンブールに戻ってきたところ、空港内の「問題のある乗客」のための部屋に拘束されたという。
アムネスティはマンスールさんが空港に滞在している状況を懸念している。「問題のある乗客」のための部屋は常に明かりがつけられており、アムネスティによると、マンスールさんは「今望むのは消灯した状態で眠ることだけ」と話しているという。
マンスールさんは自身のツイッター(Twitter)アカウントに空港の写真数枚のほか、16日にはハンバーガーの写真を投稿した。「ランチタイム。1年間毎日食べている食事をシェアして」という言葉を添えている。(c)AFP