G・タケイ氏ら「アジア系差別」でアカデミー賞授賞式に抗議
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【3月16日 AFP】先月28日に行われた第88回アカデミー賞(Academy Awards)授賞式でアジア系に対する人種差別的な演出があったとして、同賞を主催する映画芸術科学アカデミー(Academy of Motion Picture Arts and Sciences)に対し、25人のアジア系アカデミー会員が書簡で抗議していることが明らかになった。
抗議に名を連ねているのは、映画『スター・トレック(Star Trek)』シリーズで知られる俳優のジョージ・タケイ(George Takei)氏や、台湾生まれの映画監督アン・リー(Ang Lee)氏ら。
今年の授賞式では、司会を務めた黒人コメディアンのクリス・ロック(Chris Rock)氏が、ステージに上がったアジア系の子どもたちを映画芸術科学アカデミーの「投票計算係」として紹介する演出があり、さらに英俳優でコメディアンのサシャ・バロン・コーエン(Sacha Baron Cohen)氏がアジア系男性の性器は小さいとあてこするジョークをアドリブで飛ばす場面があった。
タケイ氏らは抗議書簡の中で「なぜこのように悪趣味で侮辱的な演出になったのか、また今後のアカデミー賞の放送では、いかなるグループに対してもこうした無自覚であからさまな偏見や差別意識が向けられることがないよう、どのような対策を取っているのか知りたい」と訴えた。
書簡にはタケイ氏とリー監督をはじめ、ドン・ホール(Don Hall)氏、フリーダ・リー・モック(Freida Lee Mock)氏らアカデミー賞受賞者など、計25人のアカデミー会員が署名。「第88回アカデミー賞授賞式でアジア系が標的にされたことと、人種差別的な固定観念がいまだに根強いことを目にして非常に驚き、失望した」と述べている。(c)AFP