ジカウイルス感染妊婦の出生異常リスク、100人に1人 研究
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【3月16日 AFP】(更新)妊娠初期の3か月間にジカウイルスに感染すると、胎児100人に1人の割合で脳に重度の異常が生じる恐れがあることが、16日に発表の研究論文で明らかになった。
研究によると、ジカ熱によって、小頭症、あるいは頭が異常に小さくなる稀な状態となるリスクが約50倍高まることが分かったという。
研究論文の主著者で、仏パスツール研究所(Institut Pasteur)のSimon Cauchemez氏は、「最初の3か月が最も危ない時期」とAFPの取材に述べた。
同氏の研究チームは、2013~14年に仏領ポリネシアで大流行し、全人口の6割以上にまで感染が広がったジカ熱を対象に調査を行った。研究チームによる統計解析は、胎児に現れる小頭症リスクを、これまでで最も正確に数値化したものとみられる。
英医学誌ランセット(The Lancet)に掲載の論文によると、研究では、脳の異常8件が確認され、うち7件はジカ熱流行終盤近くの4か月に現われたという。
だが今回の研究をめぐっては、幾つかの疑問が残る。一つは、ジカウイルスに感染・発症した妊婦のリスクが本当に高いのかが分からないということだ。
ジカ熱の症状そのものは大抵穏やかで、悪い風邪か軽症のインフルエンザと似ているため、ジカ熱の罹患に気づかないケースもあることがその背景にある。
また、中南米および世界各地でみられる現在進行形のジカ熱の流行に、今回の研究対象となった、数年前の仏領ポリネシアでのパターンを当てはめることができるのかも定かではない。
さらには、前回の流行後にウイルスが突然変異し、より悪性になっている恐れも考えられるという。(c)AFP/Marlowe HOOD