【3月15日 AFP】アイドルとしてデビューし、現在は主に歌手として活動している酒井法子(Noriko Sakai)さんは、過去に覚せい剤取締法違反で有罪判決を受け、一度はセレブの地位から転落、世間からの冷たい視線を一斉に浴びた──。しかし、そこから這い上がり、見事復活を遂げた日本の女性という意味では、酒井さんは極めて珍しい存在だ。

 不倫疑惑により一瞬にして芸能界から消え去った、人気タレントのベッキー(Becky)さんの一件は、日本の芸能界における女性への風当たりの強さを浮き彫りにした。それでも酒井さんは、頑張ってさえいれば、いくらでも取り返しはつくとAFPの取材に語った。

 インタビューで酒井さんは、「負けず嫌いなんです」と自身について語った。「中学校の時に体育会系、ソフトボール部でした。すごいつらい部活動で…本当につらかったんですよ。女の子とは思えないような。冬はタイヤ引いたり、失敗するとビンタされたり。今ではありえないような…。結構、スポ根だった」と学生時代を振り返り、そして、「あの時代があったから、人生における基本的体力が付いたというか、おかげで、頑張れた」と続けた。

 酒井さんは今年、デビュー30周年を迎えた。昨年11月にはミニアルバムをリリースし、最近では台湾のステージにも立った。

 福岡県出身の酒井さんは、ベッキーさんと同様に、どこにでもいるような優しくかわいい女の子のイメージを前面に押し出し、当時大人気となった。しかし、覚せい剤取締法違反で執行猶予つきの有罪判決を受けた2009年を境に、世間からの風当たりは強くなった。

 台湾から帰国した直後に行われたインタビューでは、現地の空港で数多くのファンや報道陣らに出迎えられたことを明らかにした。

「ガガ気分を味わいましたよ」と冗談交じりに語った酒井さん。「今はさすがにいないだろうと思っていたのですが、台湾の空港にはファンの方や取材の方が来てくれた」「応援してもらっています。ここまでお仕事させていただけているというのは本当にありがたいことです」とコメントした。