【3月12日 AFP】世界反ドーピング機関(WADA)の選手委員会は11日、ロシアのスポーツ界における薬物の乱用に対する捜査を拡大するよう求めた。選手委員会は、昨年11月の独立委員会による報告は「不満足」なものであるとしている。

 元クロスカントリースキー選手のベッキー・スコット(Beckie Scott)氏は、WADAのクレイグ・リーディー(Craig Reedie)会長宛ての公開書簡で、スポーツ選手は全容が見えないロシアのドーピングの規模、そして、陸上競技以外でのまん延を憂慮していると記した。

 書簡でスコット氏は「ロシアのその他の競技、そして報告で特定されたその他の国々でも、さらなる調査を行う必要があるという断固とした意見を述べたい」としている。

「(昨年)11月からわれわれは、世界中の多岐にわたる競技の選手や選手委員会から多くの要望を受けている」

 WADAの独立委員会は、ロシア陸上界での組織的なドーピングの証拠をつかみ、陸上の歴史上最大のスキャンダルとなった。

 しかし、スコット氏はその調査結果をより深く掘り下げるために、独立委員会の権能が拡大される必要があるとしている。

「報告書にあった多くのコメントや意見は、他の国々や他の競技がドーピングに巻き込まれていることを示唆している。これを受けて、さらなる調査が必要となっている」

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