冷戦さながらの「スパイ事件」、ロシア人被告が有罪認める 米
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【3月12日 AFP】米ニューヨーク(New York)の連邦裁判所で11日、外国の情報機関員であることを隠して情報収集活動を行うことを共謀した疑いで昨年逮捕され、その後起訴されたエフゲニー・ブリヤコフ(Evgeny Buryakov)被告(41)が有罪を認めた。
米検察当局によると、がっしりした体つきで茶色い短髪のブリヤコフ被告は、南アフリカや米ニューヨークのマンハッタン(Manhattan)でロシア政府系の開発対外経済銀行(VEB)の職員として働きながら、ロシア対外情報局(SVR)の秘密工作員として数年にわたり情報活動を行っていたという。
囚人服を着たブリヤコフ被告は、当初の罪状2件のうち1件で罪を認めた。2件目の、外国の情報機関員として登録せずに情報収集活動を実施した罪での起訴は取り下げられた。検察と弁護側は、禁錮2年半と1万~10万ドル(約114万~1140万円)の罰金が妥当だと合意した。
公判は来月4日に始まり、5月25日にリチャード・バーマン(Richard Berman)判事が判決を言い渡す予定。被告が有罪を認めたことで、米露両国の機微に触れる情報が公開の法廷で明らかにされる可能性はなくなったとみられる。
検察当局が今週明らかにした裁判資料によると米連邦捜査局(FBI)は、エネルギーの専門家だと身分を偽った捜査官が、盗聴器が仕掛けられたバインダーを「秘密情報が入っている」としてSVRの工作員に渡すという手法で、SVRの複数の工作員を数か月にわたって盗聴した。プリート・バララ(Preet Bharara)連邦検事は、「冷戦(Cold War)時代の映画」のような事件だと述べた。(c)AFP