禁止薬物「メルドニウム」 今年1月から99例の陽性反応―WADAが発表
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【3月12日 AFP】世界反ドーピング機関(WADA)は11日、女子テニス選手のマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)が使用したとして注目を集めている禁止薬物「メルドニウム(Meldonium)」について、これまでの検査で99人の陽性反応が確認されたことを明らかにした。
WADAで広報担当を務めるベン・ニコルズ(Ben Nichols)氏は「持久性などを向上させるとして、メルドニウムが禁止薬物に指定された2016年1月以降、99人からメルドニウム陽性反応が記録されています」と語っている。
シャラポワは7日、1月に開催された全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2016)でのドーピング検査で、検体からメルドニウムが検出されたと発表しているが、意図的な違反ではなかったと主張している。シャラポワの告白で注目を集めているメルドニウムは、東欧の多くの国で処方箋なしで購入できるが、米当局からは承認されていない。
WADAは99人の名前を公表していないものの、最近ではバイアスロン選手のエドゥアルド・ラティポフ(Eduard Latypov、ロシア)が、2月の大会でメルドニウムの使用が明らかになるなど、すでにリスト入りした選手は特定されつつある。
2月には陸上女子中距離選手のアベバ・アレガウィ(Abeba Aregawi、スウェーデン)からメルドニウムが検出されたのをはじめ、昨年の東京マラソン(Tokyo Marathon 2015)で優勝したエンデショー・ネゲセ(Endeshaw Negesse、エチオピア)、アイスダンスのエカテリーナ・ボブロワ(Ekaterina Bobrova、ロシア)からも同薬の陽性反応を示したことが判明している。
メルドニウムは摂取することで血流が増加し、持久性や運動後の回復時間が向上する可能性があることが分かっており、「運動能力の向上を目的にアスリートが使用していることが確認」されたため、WADAは同薬を「経過観察」から「禁止」薬物に変更していた。(c)AFP