「自主謹慎」解除のエディーHC、ウェールズのスクラムを批判
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【3月11日 AFP】ラグビーイングランド代表のエディー・ジョーンズ(Eddie Jones)ヘッドコーチ(HC)は10日、ウェールズ代表がスクラムで「不正」を行っていると批判の声を上げて、自らの「メディア対応の自主謹慎」を解除した。
ジョーンズHCは、2月27日に行われたラグビーシックスネーションズ(Six Nations Rugby 2016)第3節のアイルランド戦に21-10で勝利した後、12日に行われる第4節ウェールズ戦の先発メンバーを発表するまで、メディア対応を行わないと語っていた。指揮官はその約束を守り、エディー節で謹慎期間に終わりを告げた。
試合前の心理戦が得意なジョーンズHCは、相手をたたえる中、ウェールズのスクラム時の選手の動きに疑問を呈した。
スクラムの中にボールが投げ入れられるまで選手同士は押し合ってはならないが、ジョーンズHCはウェールズがそれより先に押し始めると指摘。オーストラリア人指揮官は、審判が試合を遅らせているとの批判を受けないようにペナルティーを与えることをやめてしまうため、ウェールズの選手が安心しきって違反していると、確信している。
一方でウェールズのロビン・マクブライド(Robin McBryde)FWコーチは、イングランドのPRジョー・マーラー(Joe Marler)はスクラムを「正しく組むべきだ」と反論している。
ジョーンズHCはBBCラジオ5ライブ(BBC Radio Five Live)で、ウェールズの選手を名指しすることはなかったものの、「彼らのスクラムは違反だ。いつも先にプッシュするが、規則違反だ」とコメントした。
両陣営からのコメントは、試合を裁くクレイグ・ジュベール(Craig Joubert)主審にプレッシャーをかけている。
ジュベール主審は、オーストラリアがスコットランドを下した昨年のラグビーW杯イングランド大会(Rugby World Cup 2015)の準々決勝以来の笛を、12日の一戦で吹くことになっている。ワールドラグビー(World Rugby)は、この試合で勝敗を決定づけることになったオーストラリアへのペナルティーを与えたジュベール氏の判定が、誤りだったと試合後に認めていた。
今年のシックスネーションズでは、スクラムが一度で決まらずに長い時間をかけて行われていること多いため、審判が批判を浴びている。
そんな中でジョーンズHCは、ウェールズが審判の不安感をあおっているとコメントした。
「ウェールズは繰り返し先に押してくる。しかし、ペナルティーを科されるのは試合の最初だけだ」
「先に押し始めるウェールズのペナルティーを取り続けると、審判に対してテレビ中継の知ったかぶりの解説者は何と言い始めると思う?」
「彼らは審判が試合を台無しにしていると言うだろう。だがそうではない。スクラムをちゃんと行わないチームが試合を壊しているんだ」
(c)AFP