【3月9日 AFP】米大統領選の共和党候補指名争いで首位を走るドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は8日、選挙集会で支持者に対し手を挙げて自身への支持を誓約させる行為が、ナチス・ドイツ(Nazi)を想起させるとの懸念について、「ばかげている」と一蹴した。

 トランプ氏はフロリダ(Florida)州オーランド(Orlando)で5日に行われた選挙集会以降、少なくとも3回、大統領選では自身に投票することを「厳粛(げんしゅく)に誓う」よう支持者に呼び掛けた。それに対して大勢の支持者が手を挙げて同氏への支持を誓約した。

 トランプ氏は、NBCテレビの番組「トゥデイ(Today)」の電話取材でこの行為について質問されると、「(懸念するのは)ばかげていると思う。ああしたことは面白半分でやることがあるんだよ。そうすると、みんな『宣誓就任だ、宣誓就任だ』と叫び出すんだ」と述べた。

「正直言って、この電話を受けるまで何か問題があるとは思っていなかった。人を不快にさせたり、何か問題があるのなら、やらないだろう」とも語った。

 米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)の記者がこの集会の会場後方から撮影し、ツイッター(Twitter)に投稿した写真には、支持者が手を挙げている様子が写っている。

 多くの支持者たちは天井に向けて手を挙げているが、ナチスの敬礼に似たスタイルで手を前方斜め上に伸ばしているように見える人々もいる。

 この写真はさまざまな反応を引き起こした。ばかげていると片付ける人がいる一方で、トランプ氏をナチスのアドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)と比較する声も上がっており、ホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)の生存者も懸念を示している。(c)AFP