【3月9日 AFP】イランは8日、「抑止力」を示すために複数の弾道ミサイル発射実験を実施したと発表した。同国にミサイル開発を中止させるため米国が今年1月に科した制裁を無視する格好となった。

 イランの国営メディアの発表によれば、同国は領土保全に対する「脅威に立ち向かう用意を全面的に整えている」ことを示すために、短距離、中距離、長距離の精密誘導ミサイルを複数の地点から発射したという。

 米政府は今年1月、イランが欧米など6か国と交わした合意に基づき、核開発疑惑をめぐる制裁を解除。一方で、その24時間後、同国のミサイル開発計画に関する追加制裁を行っていた。

 イランの発表を受け、米国務省のジョン・カービー(John Kirby)報道官は、ミサイル実験実施が事実と確認されれば、国連安保理(UN Security Council)決議違反になるとして、安保理に協議を要請する構えを示唆。一方で、ミサイル実験は核合意違反には当たらないと強調した。(c)AFP/Arthur MacMillan