【3月8日 AFP】もしも世界に唯一残る種となった野生馬に選ぶ権利があるのなら、居心地の良い馬小屋で暮らし、毎日新鮮なオート麦を食べることを選ぶかもしれない──研究者たちはこんなジョークを口にする。

 しかし、ほんの20年前に野生下では絶滅し、忘却の縁へと追いやられていた種、モウコノウマ(蒙古野馬)は、中国へ向かう飛行機に乗り、モンゴルを経由し、そして最近ロシアに到着した。深い雪に覆われ、凍てつく風が吹きすさぶ大草原にやって来た6頭は、南仏の保護区で生まれたが、ロシアが力を入れているモウコノウマ再野生化プロジェクトの下で初めての冬を過ごしている。

 このオレンブルク保護区(Orenburg Reserve)でゆくゆくは100頭のモウコノウマを再野生化したいと研究者たちは考えている。オレンブルク保護区はカザフスタンとの国境沿いに位置し、厳しく管理された6区の自然保護区から成っている。(c)AFP