【3月6日 AFP】イタリアのマッテオ・レンツィ(Matteo Renzi)首相は5日、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産(World Heritage)に登録されているカゼルタ宮殿(Royal Palace of Caserta)活性化の責任者が働きすぎているという正式な抗議が労働組合から寄せられたことに対して、同責任者を擁護した。

 マウロ・フェリコーリ(Mauro Felicori)氏(64)は、ウフィツィ美術館(Uffizi Gallery)などのイタリアの公立美術館の活性化を図るために文化省に昨年採用された「スーパー・ディレクター」20人の一人。昨年8月、イタリア文化省からナポリ(Naples)近郊にある広大なカゼルタ宮殿を一大観光地にする任務を託されたが、労働組合の3団体はフェリコーリ氏が早朝から夜まで、さらに週末も働いているとして文化省に正式な抗議文書を提出した。

 フェリコーリ氏は5日、労組の抗議は「侮辱」だとしながらも引き続き任務を続けると表明した。レンツィ首相は5日、フェイスブック(Facebook)に「労働組合は、流れが変わったということを理解しなければならない。フリーライド(ただ乗り)は終わりだ!」と投稿した。

 18世紀に仏ベルサイユ宮殿(Palace of Versailles)に触発されて建てられ1200もの部屋があるカゼルタ宮殿は、映画「スター・ウォーズ(Star Wars)」シリーズの1999年と2002年の作品や『M:i:III(Mission: Impossible III)』(2006年)、『天使と悪魔(Angels & Demons)』(2009年)などのロケ地として使用されている。(c)AFP