【3月2日 AFP】ブラジル警察は1日、交流サイト(SNS)大手フェイスブック(Facebook)が麻薬捜査に必要とされるデータの開示を拒否したことを受け、同社中南米部門のディエゴ・ゾダン(Diego Dzodan)副社長を逮捕した。

 連邦警察は逮捕容疑について、麻薬密売取引事件の捜査に必要なフェイスブック上のデータの提供を求める「裁判所命令の度重なる不遵守」としている。ブラジル当局はまた、同社の携帯電話向け人気チャットアプリ「ワッツアップ(WhatsApp)」のデータを提供するよう同社に求めていた。

 同社と当局との対立が始まったのは4か月前。昨年、麻薬密売組織とみられるグループに対する捜査が行われているセルジペ(Sergipe)州ラガルト(Lagarto)で出された裁判所命令がきっかけだった。地元メディアの報道によれば、容疑者らは麻薬取引にワッツアップを利用していた。

 AFPの取材に応じたセルジペ警察当局によれば、フェイスブックが裁判所命令に応じることを拒否したため、ブラジル当局は2か月前、同社に1日5万レアル(約145万円)の罰金を科し始め、1か月前には罰金額を同100万レアル(約2900万円)に引き上げた。

 アルゼンチン国籍のゾダン副社長は、ブラジル・サンパウロ(Sao Paulo)の自宅で逮捕され、取り調べを受けている。

 フェイスブックは声明で、ゾダン副社長の逮捕は「極端で偏った」措置だと批判。また、傘下のワッツアップ社は、当局の協力要請に応じるのは技術的に不可能だと主張している。(c)AFP/Rosa SULLEIRO