ロック解除命令は越権行為 米裁判所、麻薬捜査でアップル支持
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【3月1日 AFP】米ニューヨーク(New York)州の裁判所は2月29日、警察当局が米アップル(Apple)に対して麻薬密売事件の容疑者が所有していた「iPhone(アイフォーン)」のロック解除を求めた措置は、越権行為だとする判決を下した。
アップルは、昨年12月に米カリフォルニア(California)州サンバーナーディーノ(San Bernardino)で起きた銃乱射事件の容疑者が所有していたiPhoneのロック解除要請をめぐっても米政府と対立しており、今回の判決はアップル側への追い風となる可能性がある。
裁判所文書によれば、米麻薬取締局(DEA)と米連邦捜査局(FBI)は、2014年6月にメタンフェタミンを密売していたとみられる容疑者から押収したiPhoneのロックを解除するため、アップルに捜査への協力を命じるよう同裁判所に求めていた。
米政府は、法執行当局に幅広い権限を付与する1789年制定の「全令状法(All Writs Act)」を根拠に、アップルにiPhoneロック解除への協力を求めていた。
しかし、裁判所は、ロック解除の命令は憲法の原則を損ねるものであり、議会で判断されるべき問題だとして、米当局の請求を退けた。(c)AFP