オスカー司会のC・ロック、人種論争への皮肉連発
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【2月29日 AFP】米国で28日に開催された第88回アカデミー賞(Academy Awards)授賞式では、司会を務めた黒人コメディアン、クリス・ロック(Chris Rock、51)が、壇上に登場するや否や、同賞に影を落としている人種論争に切り込み、映画界と批判勢力の双方に容赦ない批判を浴びせた。
ステージに姿を表したロックは開口一番、俳優部門にアフリカ系米国人が一人もノミネートされなかったことに端を発した論争に触れ、一人語りの時間のほとんどをこの問題に費やした。
「やあ、僕が今いるのはアカデミー賞の授賞式、またの名を『白いピープルズ・チョイス・アワード』だ」と切り出したロック。これまでも長いこと黒人たちがノミネートされてこなかっただろうにもかかわらず、今年の受賞式がこれほど物議を醸している理由はなぜか、と疑問を呈すと、その答えとして、黒人たちがこれまで抗議してこなかったのは「レイプされたりリンチされたりで、誰が撮影賞を取ったかなんてどうでもよかった」からだと皮肉った。
矛先は、自身に対して黒人俳優との連帯を示すために授賞式をボイコットすべきだと呼び掛けていた活動家たちにも向けられた。「僕がボイコットしたって授賞式は中止にならない。結局のところ、司会役を(同じ黒人コメディアンの)ケヴィン・ハート(Kevin Hart)にとられちまうだけだ」と話し、自分が司会に選ばれたのは黒人であることが理由だったとほのめかした。(c)AFP