ジョットのフレスコ画の希少な複製か、ルーマニアの教会廃虚から
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【2月28日 AFP】(写真追加)小さな村でお宝発見か──ルーマニアのトランシルバニア(Transylvania)地方の教会の廃虚で発見されたフレスコ画の一部は、イタリア絵画の巨匠、ジョット(Giotto)の傑作を中世に複製した非常に珍しい作品だと、ハンガリー人の歴史家が主張している。
この説を唱えるのは、ハンガリー・ブダペスト(Budapest)に拠点を置く文化遺産保護団体イシュトバン・モラー財団(Istvan Moller Foundation)に所属するシラード・パップ(Szilard Papp)氏だ。パップ氏は先週、AFPの取材に応じ、ルーマニアの首都ブカレスト(Bucharest)北西430キロにあるジェルナ(Jelna)村の教会に残っていたフレスコ画の一部は、バチカンのサンピエトロ大聖堂(Saint Peter's Basilica)の装飾として使用されたジョットのモザイク画「小舟(ナビチェッラ、Navicella)」を14世紀に複製した作品の一部だと述べた。
キリストが船に乗った使徒らの前で水面を歩いている様子を描いた同作品の14世紀の複製で現存するものは、これまで仏ストラスブール(Strasbourg)、伊フィレンツェ(Florence)とピストイア(Pistoia)にある作品しか確認されていない。「これは間違いなく4作目だ」とパップ氏は、今回ルーマニアで発見されたフレスコ画について言う。
ジョットが1300年ごろにサンピエトロ大聖堂のために制作したこのモザイク画はおよそ10×14メートルの大作で、中世美術の奇跡とみなされているが、17世紀に大聖堂が改築された際に破損した。
パップ氏は「あのような大作の複製が当時、ローマから遠く離れた小さな村の、カトリック教会の末端の教会で制作されていたとは驚くべきことだ」として、「このフレスコ画を誰がどうやって描いたかという謎は永久に解けないかもしれない」と付け加えた。(c)AFP/Peter MURPHY