【2月28日 AFP】ラグビーシックスネーションズ(Six Nations Rugby 2016)は27日、第3節の試合が行われ、エディー・ジョーンズ(Eddie Jones)ヘッドコーチ(HC)が率いるイングランドは、大会連覇中だったアイルランドを21-10で撃破。3連勝を飾り、全勝優勝(グランドスラム)の可能性を広げた。

 ワラビーズ(オーストラリア代表)やブレイブブロッサムズ(日本代表の愛称)のHCを経て、2015年末からイングランドで指揮を執るエディー・ジョーンズHCは試合後、アイルランド戦前の自身の発言が物議を醸したことを受け、次の試合まで「メディア対応を自主謹慎する」と語った。

 ジョーンズHCは試合前、脳振とうに苦しんだ経験を持ち、前節フランス戦でも「むち打ち」のような状態になったアイルランドのジョナサン・セクストン(Jonathan Sexton)について、両親は介護の心配をした方がいいとして、この試合でも標的にすることを示唆するような発言をしていた。

 そして次節の対戦相手であるウェールズのウォーレン・ガトランド(Warren Gatland)HCは、試合前から相手に心理戦を仕掛ける指揮官として知られている。そのため、普段から歯に衣着せぬ物言いで知られるジョーンズHCは、ウェールズ戦前の会見を自主謹慎することを表明し、「そこはガトランドHCに任せるよ。彼の得意分野だから」と述べた。

「世間を騒がせたり、メディアを敵に回したり、誰かの両親の気分を害したりするようなことはしたくない。だから、今からウェールズ戦前の金曜日まで、メディアには話さない」

「私が記者会見で何も言わなければ、退屈だったと言う。何かを言えば、あいつはお騒がせ男だと言う。それが君たちだ」

 アンソニー・ワトソン(Anthony Watson)とマイク・ブラウン(Mike Brown)がトライを決め、逆転勝利を収めたイングランドだが、終盤にスクラムハーフのダニー・ケア(Danny Care)がシンビンとなり、最後の9分間は数的不利の状況で耐えなくてはならなかった。

 後半序盤のラックでは、ブラウンがコナー・マレー(Conor Murray)の顔をスパイクで蹴り、イエローカードはおろか退場を宣告されてもおかしくなかった。

 このプレーについて、ブラウンが処分を免れたのは幸運だったのではと問われたジョーンズHCは、「裁くのはレフェリーだ。ボールがグラウンドにある以上、選手はプレーすることを許されている」とコメントした。

 これに対して、アイルランドのジョー・シュミット(Joe Schmidt)HCは、「あとで映像を確認する。コナーは目の近くを縫ったんだ」と話しつつ、「故意ではないことはわかっているし、ボールに向かっていた。われわれは、彼が罰を受けるべきだとかどうとかを言う立場にない」とフォローした。

 アイルランドは、初戦のウェールズ戦の引き分けに続き、フランス戦とイングランド戦の連敗で、今大会は白星から見放されている。(c)AFP/Julian GUYER