【2月28日 AFP】5年間にわたる内戦により疲弊したシリアで27日、内戦開始以来最大規模となる停戦が発効し、シリアのほぼ全土において戦闘が停止された。散発的な戦闘があったものの、停戦はおおむね守られているもようだ。

 米国とロシアが仲介役を務めた今回の停戦は、これまで27万人が死亡し国民の半数以上が避難を余儀なくされたシリア内戦終結への重要なステップとみられている。

 米国とロシアが共同議長を務める特別委員会は停戦を称賛した。またスイス・ジュネーブ(Geneva)で開催された国際シリア支援グループ(ISSG)に出席した欧米外交筋は、「国連(UN)と米国、ロシアは、停戦開始後数時間の戦闘停止状況に関してポジティブな評価をした」と述べた。

 この外交筋はまた国連の報告として、停戦に違反するとみられる「数件の事件」が発生したものの、すぐに解決したと語ったが、「全体的な評価を行うには、28、29日まで待たなければならない」と付け加えた。

 ロシア外務省によると、同国のセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相は、米国のジョン・ケリー(John Kerry)国務長官と電話会談を行ってシリア停戦を「称賛し合った」という。2人はさらに、両国軍が停戦の順守を支援していく方法について話し合った。

 停戦にはイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」や国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系武装組織「アルヌスラ戦線(Al-Nusra Front)」が含まれていないなど、大きな課題を抱えている。

 ダマスカス(Damascus)在住の医学生アマル・ライ(Ammar al-Rai)さん(22)は、「銃声を聞かずに目覚めたのは初めてだと思う」と話した。

 シリア和平協議の仲介役を務めるスタファン・デミストゥラ(Staffan de Mistura)国連特使は、停戦がこのまま順守され、交渉で主な対立点となっていた救援物資の提供が無事行われれば、和平協議は来月7日に再開されるとの見通しを示した。(c)AFP/Maher al-Mounes with Karam al-Masri in Aleppo