米司令官、中国の南シナ海「実効支配」を警戒
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【2月26日 AFP】(更新)米太平洋軍のハリー・ハリス(Harry Harris)司令官は25日、中国が南シナ海(South China Sea)を「実効支配」しつつあるとして、警戒感を示した。中国は各国が領有権を争う同海域で軍事力の強化を進めており、懸念が広がっている。
ハリス氏は米国防総省で記者団に対し、中国は軍用飛行場の建設や岩礁埋め立て、高性能のレーダーやミサイル防衛システムの配備によって、南シナ海での軍事的優位の確保に向けた決意を示していると指摘。
「中国が南シナ海で埋め立て造成した全ての場所の軍事拠点化を続けるならば、この地域での軍事行動環境は様変わりする」と予想し、「米国との戦争には至らなくとも、中国は南シナ海を実効支配するだろう」と警鐘を鳴らした。
さらにハリス司令官は、「中国が防空識別圏(ADIZ)の設定を宣言する可能性を懸念している」と述べた上で、米国はそのような設定は無視するだろうと断言した。
中国は、紛争の火種になりかねないとかねて懸念されてきた南シナ海のほぼ全域の領有を主張し、広い反発を招いている。(c)AFP/Thomas WATKINS