【2月22日 AFP】ドイツ東部で先週末、移民に反発する群衆が、難民関連施設の火災に歓声を上げたり、難民を乗せたバスを取り囲んだりする行為が相次いだことを受け、独政府の閣僚らは21日、こうした行為は「不愉快」などと非難するコメントを発表した。

 共産体制下の東ドイツに属していた東部ザクセン(Saxony)州のバウツェン(Bautzen)では20日夜から21日にかけ、難民収容施設に改装中の元ホテルで火災が発生。現場では、酒に酔っていたとみられる野次馬20~30人が歓声を上げた。警察によると、現場で消防隊の作業を妨害しようとする者もいたという。

 警察は放火とみており、現場では燃焼促進剤が使われた痕跡も見つかった。けが人は出ていない。警察の命令に従わなかったとして、20歳の男2人が一時拘束された。

 この2日前には同じザクセン州のクラウスニッツ(Clausnitz)で、難民申請者20人を乗せたバスが新たな収容施設に到着するのを100人ほどの群衆が阻もうとする出来事があった。この際、レバノン出身とされる少年を含む難民たちが、おびえた様子で警官にバスから引きずり降ろされる様子が撮影され、ソーシャルメディア上で拡散した。

 移民に寛容な立場をめぐって世論からの圧力が増しているアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)政権の閣僚らは、群衆の行為を批判するコメントを相次いで発表。ハイコ・マース(Heiko Maas)法相はツイッター(Twitter)で「施設が焼けるのに歓声を上げたり、難民を死ぬほど怖がらせたりするのは最低の行為であり、極めて不愉快だ」と批判した。(c)AFP/Deborah COLE