フィリピンのカトリック教会、同性婚反対姿勢のパッキャオ擁護
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【2月21日 AFP】フィリピンのプロボクサー、マニー・パッキャオ(Manny Pacquiao、37)が同性婚に反対する発言をしたことについて、同国のカトリック教会は21日、パッキャオは聖書を引用しているだけだとして擁護する姿勢を示した。
カトリックからプロテスタントに改宗しているパッキャオは、同性愛カップルは「動物以下だ」と発言して物議を醸し、同性愛者の権利団体や著名人らから非難され、高額のコマーシャル契約を打ち切られるなどした。
この一件について、フィリピン・カトリック教会広報部事務局長のジェローム・セシジャーノ(Jerome Secillano)司祭は現地ラジオ局DZMMに対し「(パッキャオの)引用は本当に聖書の中にある。彼が使ったのは聖書(の言葉)であり、われわれにそれを変えることはできない」と語った。そして、同性婚について尋ねられたときに、聖書で読んだことをそのまま語ったパッキャオを非難するのは「フェアじゃない」と述べた。
しかし司祭は同時に、パッキャオは同性愛者に敬意を払うべきで、彼らを勝手に判断したり非難したりすべきではなく、また今回の発言のような攻撃的な言葉を使うべきではないと語った。さらに「教会としては人々のライフスタイルや指向を尊重しており、人々を非難するようなことはできない」と述べた。ただし、フィリピン国民の80%が信仰するカトリックの教会は今も同性婚の合法化には反対だとの立場を再度強調した。
フィリピンでは離婚や中絶の合法化についてもカトリック教会の影響が及んでいる。一方、同性愛自体は違法とはされておらず、有名人となったLGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)の人々もいる。(c)AFP