【2月21日 AFP】英国のデービッド・キャメロン(David Cameron)首相は20日、欧州連合(EU)残留の是非を問う国民投票を今年6月23日に実施すると発表した。同首相は国民にEU残留を説得するという大きな課題に着手した。

 キャメロン首相は、2時間に及ぶ閣議で、19日にベルギーのブリュッセル(Brussels)で開催されたEU首脳会議で英国がEUにおける「特別待遇」を得た決定について報告した後、国民投票実施日を正式に公表した。

 ロンドン(London)ダウニング街10番地(10 Downing Street)の首相官邸前でキャメロン首相は国民に向け「われわれは、英国がこの時代に直面する最大の決断の一つに近づいている」と演説した。

 同首相は、「選択は、今後われわれがどのような国になりたいかという意思によって決定される」と述べ、EUを離脱することにより「不確かな時代が訪れる危険性があり、闇の中に飛び込むようなものだ」と語った。

 キャメロン首相はまた、28か国が加盟しているEUに残留することで、英国は「より安全で強く、豊かな国となる」と述べ、19日のEU首脳会議で得た条件がEUと英国にとって「最善のものだ」と話した。

 欧州連合に懐疑的な見方が以前から存在し、敵対的な右派メディアもある英国では、EU残留をめぐる国民の世論は現在ほぼ二分されている。

 今回の国民投票は、この約40年間の間に行われる欧州全体組織の残留・離脱を問う2度目のもので、1度目は欧州経済共同体(EEC)について1975年6月に実施され、国民の67%がEEC残留を支持した。

 6月23日の国民投票では、「英国はEUに残留すべきか、それとも離脱すべきか」という質問に国民が答える。(c)AFP/Alice RITCHIE