法王、トランプ氏は「キリスト教徒ではない」 反移民姿勢を批判
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【2月19日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王は18日、米大統領選で共和党候補としての指名獲得を目指すドナルド・トランプ(Donald Trump)氏について、移民の流入を阻止するために国境に壁を築くと宣言するならキリスト教徒とは言えないという見方を示した。
訪問していたメキシコからの帰途、同行の記者からトランプ氏の移民問題に関する姿勢について意見を求められた法王は、「誰であれ、橋ではなく壁を作りたいと考える者は、キリスト教徒ではない」と述べた。
「投票するかしないか、干渉するつもりはない。ただこれだけは言える、もしそういう発言をするなら、その人はキリスト教徒ではない」
トランプ氏は、メキシコが米国に犯罪者を送り込んでいると訴えて支持率が上昇。公約として、米国南部の国境に壁を設置して移民の不法入国を防ぐと宣言し、論争を巻き起こしていた。先週には、法王がメキシコ政府に言われるがままに米・メキシコ国境を訪れたとして、法王を批判している。
法王の発言に対し、トランプ氏は直ちに反発。サウスカロライナ(South Carolina)州の選挙集会で発表した声明で、「宗教指導者が個人の信仰心を疑うのは、恥ずべき行為だ」と非難した上で、「私はキリスト教徒であることに誇りを持っている。私が大統領になったら、キリスト教が常に攻撃を受け弱体化を招くようなことはさせない」と述べた。
さらに、「もしバチカンがISIS(イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の別称)の攻撃を受けたとしたら、周知の通りそれはISISにとって究極の戦利品となるが、法王はドナルド・トランプが大統領だったらこんなことは起こらなかったのに、とただ願い、祈ることになるだろうと断言できる」とも述べた。(c)AFP