【2月17日 AFP】米国予防医学専門委員会(USPSTF)は16日、生後18~30か月の子ども全員を対象とする自閉症のスクリーニング検査が有効かどうかは、関連研究が存在しないため現時点で判断することはできないという結論を示した。

 予防医学と科学的根拠に基づいた医学分野の有志の専門家による独立した組織USPSTFは、全員を対象とするスクリーニング検査の実施について、メリットがデメリットを上回るかどうかを判断するためには、さらに研究を重ねる必要があるとの見解を示した。

 USPSTFは、米国医師会雑誌(JAMA)で「生後18か月から30か月の子どもを対象とする自閉症スペクトラム障害(ASD)のスクリーニング検査が、両親や臨床医からASDの懸念が提起されていない子どもにもたらすメリットとデメリットのバランスを評価するためには、既存の根拠では不十分」と述べている。

 米疾病対策センター(CDC)発表の2010年のデータによると、米国では68人に1人の子どもがASDを発症しているという。

 自閉症と診断される子どもの割合は2000年には150人に1人だったが、その後著しく上昇していることが一部の研究で判明している。自閉症は、社会生活を送る上での困難や特定の刺激に対する感受性の増大を伴う可能性があるほか、学習障害または平均以上の知能を示すケースもある。