【2月17日 AFP】ポーランド国立図書館の館長は16日、ローマ法王の故ヨハネ・パウロ2世(John Paul II)が既婚女性と30年以上にわたり親密な関係をもっていたとする英BBCのドキュメンタリー番組について、「バレンタインデーの冗談」だと一蹴した。

「幾分悪い冗談だ」──15日に放送されたドキュメンタリー番組についてそう語ったのは、同図書館のトマシュ・マコウスキ(Tomasz Makowski)館長。同番組は、ヨハネ・パウロ2世による350通以上の手紙に基づき制作された。

 手紙は、ワルシャワ(Warsaw)にある国立図書館に保管されているもので、1973年~2005年の手紙が参照されたという。

 マコウスキ氏は、ヨハネ・パウロ2世はカトリック教会の聖職者に課される独身制に違反しなかったと番組では主張してはいるが、同時に全く正反対のことも示唆していると指摘した。

 同番組の制作者は、ポーランド生まれのアンナテレサ・ティミエニエッカ(Anna-Teresa Tymieniecka)さんとヨハネ・パウロ2世の関係は、「友人以上、恋人未満」だったとしている。

 マコウスキ氏はAFPの取材に対し、ティミエニエッカさんに宛てた2通の手紙を見せたが、その1通ではティミエニエッカさんの夫と3人の子どもに向けて祝福の言葉を送っている。

 また、BBCで示された2人の写真については、まるで人目につかない場所で2人きりになっているように見えるが、実際は他にも多くの友人たちが一緒にいたと説明。大勢で出かけたカヤックとハイキングの旅行中に撮影されたものだと述べた。

 さらに、ティミエニエッカさんに対して使った「神からの贈り物」という愛情表現についても、ヨハネ・パウロ2世が日常的に友人に対して使っていた言葉であるとし、「このことを理解していない人は、現実に基づかない結論を引き出すでしょう」と続けた。(c)AFP