妊娠中の魚の食べ過ぎ、子どもの肥満リスク高まる可能性 研究
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【2月16日 AFP】妊娠中の女性が魚を過剰に食べると、生まれてくる子どもの肥満リスクが高まる可能性があるとの研究論文が15日、米国医師会(AMA)が発行する医学誌「JAMA小児科学(JAMA Pediatrics)」に発表された。論文によると推奨される魚の摂取回数は週3回だという。ただ、研究者は、因果関係が証明されたわけではないとして注意を促している。
魚は、胎児の脳の発達に良いとされるが、水銀などの汚染物質も含んでいるとされるため、その摂取量を心配する妊婦は多い。
論文は、さらなる研究が必要であるとしており、また「魚に関連する汚染物質への曝露が、確認された関連性の一因となっている可能性がある」との仮説は、現時点では「推測」にすぎないとしている。
ギリシャ・クレタ大学(University of Crete)のレーダ・チャチ(Leda Chatzi)博士が率いた研究では、欧州や米国の研究論文に掲載された妊婦とその子ども2万6000人以上のデータを対象に分析が行われた。
また、女性が妊娠期間中に毎週どのくらいの量の魚を食べていたかについての報告を基に、その子どもが6歳になるまでの追跡調査を行い、母親の魚の摂取量と子どもの成長についての関連性を調べた。
米食品医薬品局(FDA)と米環境保護局(EPA)は、毎週3回魚を食べることを妊婦に推奨している。
論文によると、妊娠中に毎週3回よりも多く魚を食べた女性の子どもは、それよりも少なかった女性の子どもと比較して、BMI値が2歳、4歳、6歳の時点で高かった。
また、魚を推奨量以上食べた女性では、同1回以下の女性に比べて、子どもの2歳までの成長の度合いが早まったり、4歳や6歳の時点で過体重や肥満と診断されるリスクが高まったりする傾向もみられたという。
研究では、食べられた魚の種類や、メチル水銀などの汚染物質レベルについては調査されていない。(c)AFP